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2020-12-30

筑波大オールスター状態

2連覇を含む3度の都市対抗優勝&1度の日本選手権優勝を誇り、2000年代後半~10年代前半のENEOS黄金期を作り上げた名将・大久保秀昭氏が久方ぶりに監督へと復帰し、チーム名もJX-ENEOSからENEOSに変更して注目を集めた2020年のENEOS硬式野球部ですが、長年の社会人野球ブランクから復帰したばかり&コロナ禍による世間の混乱をうけながらも、流石の大久保監督が早速その手腕を発揮。

5年ぶりに都市対抗出場を果たす&記念すべきチーム通算都市対抗100勝を記録しましたし、その都市対抗では2回戦敗退だったとはいえ、その相手が都市対抗を制することになるHondaであり、しかも終盤まで接戦を繰り広げていたと、強いENEOSの復活を印象付けたシーズンでした。

考えてみたら私、ENEOSの毎年の総括みたいなブログ記事書き始めたの、今は無きスポナビブログ時代からで、ちょうどこの大久保監督が前に退任した直後の頃だったんですよ。
それだけに、大久保監督が復帰してもなおこんな記事を書いていることに感慨深いものがありますね~


そういえばその私が初めて書いたENEOSの総括的な記事で、その当時ENEOSへの入社が報じられていた高梨雄平(現讀賣)と糸原健斗(現阪神)両名どちらも、あんまり期待できない選手的なこと書いてdisっていましたわ。

この二人は将来NPBでも活躍するでしょう!とか、自分の過去文章書き換えられるものなら書き換えてやろうかしら



さて本題に入って今回の記事は、2020年ENEOSの個人選手成績及び入部予定&退部選手について、今年も簡単に振り返ってみました。

コロナ禍のせいで今年はとうとう1試合もENEOSの試合生観戦していないけどな!

…ちなみに個人成績の方は2020年のENEOSが出場した日本選手権大会本戦及びその出場権を得られる各JABA大会(都市対抗本戦&予選を含む)を公式戦と解釈し、その通算成績を算出したものです。
そのため、コロナ禍もあって日本選手権が中止になるなど公式戦が極端に少ない2020年においては都市対抗予選及び本戦の成績のみを通算したものということですね。
そんな感じに、あくまで私の独断と偏見に基づいた集計及び評価であることをご了承ください。



2020 ENEOS選手成績

ENEOS2020.jpg


退部&入部選手
退部選手
宮﨑一誠  右投手
藤本海斗  右投手
藤井聖   左投手(NPB東北楽天へ)
渡邉貴美男 内野手兼コーチ
大平達樹  内野手
高橋優斗  内野手
松本大希  外野手
鹿屋陸   外野手


入部選手
関根智輝  右投手 (慶應大)
糸川亮太  右投手 (立正大)
加藤三範  左投手 (筑波大)
若杉晟汰  左投手 (明豊高)
小口丞太郎 捕手  (日本体育大)
植田響介  捕手  (慶應大)
瀬戸西純  内野手 (慶應大)
度会隆輝  内野手 (横浜高)
瀧澤虎太朗 外野手 (早稲田大)

※2021/1/19 度会を入部選手へ追加
※2021/3/5  藤本を退部選手へ追加


まず目に付くのは投手陣で、とくに2019年シーズン不調にあえいだエース柏原史陽の復活。
彼が、社会人1年目から引き続き活躍していた藤井聖とともに投手陣の2本柱として投げられたのはチームにとって大きかったですね、ENEOS5年ぶりの都市対抗出場に大きく貢献していました。

その藤井は、東洋大学時代はその実力の割にチームの厚い選手層に阻まれて出場機会が限られた(まぁ、大学同期に上茶谷大河(現横浜DeNA)・甲斐野央(現福岡ソフトバンク)・梅津晃大(現中日)、後輩に村上頌樹(現阪神)らに囲まれたら出場機会も何もあったもんじゃない)不完全燃焼の印象でしたけど、ENEOSでは実力に見合った出場機会を与えられて見事ブレイク。昨年今年とチームを支え続けるとともに念願のプロ入りも果たしましたね。


そして藤井が抜けることになったENEOS投手陣ですが、入部者の顔ぶれを見たらむしろ投手陣の層は厚くなる気がします。
筑波大とは太いパイプで結ばれているENEOSですから、私てっきり筑波大の有力投手の一人だった村木文哉が来るんじゃないかと思ってところ、村木のチームメイトで同じく主戦投手だった加藤三範の方が加入することに(ちなみに村木は東海地区社会人チームのヤマハへ)。
左腕の藤井が抜けた穴を埋めるために、右の村木ではなく左投手・加藤の方を選択した…といったら穿ちすぎかもしれませんけど、確かにチーム編成のことを考えると、村木より加藤の方が良かったですね、加藤はドラフト指名漏れだったとはいえ、プロ志望も出していたほどの実力者ですし。

そんな加藤に加えて、慶應大から大久保監督の薫陶を受け続けていた関根智輝も加入し、これだけでもENEOS投手陣には結構な補強なのに、更に立正大から糸川亮太をスカウトしてきました。これは大きな成果だったんじゃないかと。

糸川は立正大で全国制覇にも大きく貢献するなど活躍していた頃から、私は彼のことを社会人名投手コースなタイプのピッチャーだなぁと思っていたので、怪我等アクシデントさえなければかなりの確率で活躍してくれそうで、彼にはこれから長年ENEOSを支えるエースになってくれることを期待したいです。

エース柏原と新加入組に加えて、こちらも昨年に引き続いて今年活躍した江口昌太や、すっかり左のリリーフとして定着した西島隆成もいることを考えると、2021年シーズンのENEOS投手陣はバランスが良く、楽しみな感じがします。



次に野手陣について、長年このチームを支えてきた渡邉貴美男松本大希が今年限りで現役引退。
二人とも徐々に出場機会が減っていていたので、頃合いだろうなとは思っていましたけど、それでも引退は、とくにENEOSの二遊間や上位打線や主将という重職を務め続けていた渡邉貴美男という選手の現役引退は、ひとつの時代が終わった感があります。

渡邉貴美男


その貴美男が長年支えてきたENEOS二遊間、今シーズンは川口凌・遊撃&小豆澤誠・二塁手でほぼ固定していましたね、これもチームにとっては大きかった。

この二人がそれぞれ課題としていた打撃についても存在感を示すことが出来ており、とくに小豆澤は今季打撃がチーム三冠打者、チーム随一の打棒を発揮したと言っても過言ではないほど。
守備は相変わらず安定感ある二人でしたから貴美男引退の穴は感じさせない、ENEOS二遊間はしばらく安泰でしょう。
川口が新主将になったことでもありますし、この二人で末永くチームを支えていって…

…と、綺麗に締めたかったのにも関わらず、現在の大学球界トップクラス・ショートストップの瀬戸西純を取ってきて川口&小豆澤コンビに挑戦させようとするとは、二遊間選手は貴重なんだから他チームに分けてやれよENEOSは相変わらず厳しいですねぇ。

ですが極端な話、バッテリーが多少平凡でも二遊間がしっかりしていれば野球はアウトが取れますし、逆に二遊間が不安定だと試合全体が不安定にもなりかねない。
ゆえに、ここを過剰とも思えるぐらい厚くするのは理解できますし、大久保監督の采配に是非とも必要な補強ポイントだったんでしょうな。



野手の話を続けますが、2019年チーム打点王だった大平達樹が、2020年シーズンは出番がほとんど無いまま退部。
彼はポジションの制限があったので、試合数そのものが少なかったコロナ禍が不利に働いたのかもしれませんが、まだ若いし、何より打撃が素晴らしいのは既に証明済みだっただけに個人的には惜しいと思いましたね。

今年の新人たちでは、私、佐々木勝哉安本竜二のふたりのうちどちらかが穴になっていたサードにハマるのでは?と予想していたんですけど、実際は篠原涼が大久保監督のお眼鏡にかなったようで。
都市対抗本戦でも活躍しましたし、来季も篠原がサードの一番手でしょう。

これについては完全に私、篠原を甘く見ていました。
篠原だって高校大学と日本代表経験もある大物エリート選手であるにも関わらず、俺としたことが東都ブランドの佐々木や、東京六大ブランドの安本に目がくらんでしまっていた(あと佐々木のみ大学時代に生観戦の機会があったので、思い入れも佐々木にあったというのもありましたが)なぁ。


というか、この篠原も筑波大だし、今のENEOSって筑波大オールスター状態だよな。
2021年ドラフトで大学投手ナンバーワン候補と目されている筑波大の左腕エース・佐藤隼輔君も、プロ志望なんて出さずにENEOSに来いよ(爆



筑波大ネタで思い出したんですけど、このチームの選手獲得ルートはその筑波大と、大久保監督もOBである(その上前監督でもある)慶應大の二校を中心として、プラス東都&慶應大以外の東京六大所属校という構成が基本。
そしてそれら大卒選手の合間に高卒選手(こちらはとくに学校や地区での偏りは少なく、全国から取ってくる印象です)を少々混ぜてくる感じ。

今回の入部予定選手たちもほとんどその法則通りだったんですけど、ひとりだけその法則に当てはまらない日体大出身と目立つのが、大学4年で首都大リーグベストナイン捕手にも輝いていた小口丞太郎ですね。

ここ1~2年のENEOSの捕手事情はベテラン柏木秀文頼みのところがありましたが、そこに割って入ることが出来るか注目したいところです。




[過去記事]
JX-ENEOSは今、転換期に
JX-ENEOSは東京六大学御用達
政権樹立は予定通りだった
彼が報われない世界なんてあってはならない
期待半分、不安半分といったところ
ようやく一人前

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tag : JX-ENEOSENEOS

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今年も1年お疲れさまでした。特に今年はフムフムさん大変そうな感じをツイッターで受けていたのでストレス半端ないだろうなと・・。来年も前半は状況変わらなさそうな感じがまたアレなのですが・・。

高梨、糸原は4年時微妙だったなぁという記憶があるのですが、ENEOSに選ばれるだけの素質はあったのだろうというスカウトの慧眼が冴えてたわけですね。プロにいってさらに活躍すると思いもしませんでしたけども・・。貴美男は最後の打席がバント失敗という所が今年で・・だろうなとは思いました(爆)。とはいえENEOSもですし、高校・大学でも歴史の一部だったなと感じますし、そういう歳なんですねぇ。大平でも3年となるとさらに勇退のスピードに拍車かかりそうで。

大久保さん復帰であっさり切符掴んで今まで何だったのだろうというのを余計に思ってしまいましたが、後3年くらいでしっかり土台を固めて今度こそ後進に繋げたい所でしょうね。それが今回の慶應3人衆の新加入という所でしょうか。佐藤隼輔来たら西関東2チーム阿鼻叫喚でしょうがね(爆)。小豆もですが、川端の成長も大きかったですね。どちらかというと村上の方が勢いあるかなと思ってましたので。篠原に関しては佐々木、安本よりも使い勝手というか所謂監督コーチがやってほしい事を言われなくてもやってくれそうなタイプですし、その二人よりかスタメンで使われるかなと思っていました。何より高校大学とジャパンの主将ですし、メンタル面も強いでしょうしね。糸川はたまに制球滅茶苦茶な時もありますが(爆)、面構え含め強気かつ冷静な投球が出来る所が強みなので早い段階で登用されそうですね。

Re: nobさんこそ今年お疲れさまでした

nobさん

いつもどうもです!

普通に考えて、来年もコロナ禍はこのままでしょうね…政府が東京五輪やるために無症状はコロナ患者とみなしません!とか無茶しない限りは。
取り敢えずは3月の東京スポニチ大会と高校野球のセンバツと、それぞれちゃんとやってほしい(観客制限は最低でもあるでしょうが)ところですが、そこからどうなることやら。

高梨は良くとったなあと正直思いましたね。糸原はまだわかるんですけど、ただ彼は社会人までの選手だと私思っていて、プロに行ってあそこまで活躍するとは、これまた正直思いませんでした(苦笑
貴美男は気づいたらもう30代ですから、早いですねぇ…その年齢もあって貴美男はまだやり切った感があるのでいいですけど、大平の勇退はホントもう1年だけ猶予欲しかったかな?という気はします。

篠原はそういえば代表のキャプテンもやっていましたね、すっかり忘れていました。
そりゃあ…大久保監督の好きそうな、野球IDの高そうなプレーヤーで、これはレギュラー確定も当然ですな。
そして川端の成長は確かに大きかったですよね、その川端も筑波となると…やっぱり佐藤隼輔もENEOSに来て、是非とも筑波大オールスターを実現してもらわないと(笑

高梨&糸原の件に関しては私も共犯と言うか、同罪かと(汗)

彼ら2人のOUTよりも、くしくも今回退部の決まった高橋優斗INの方が結構な戦力アップじゃん!!だとか、ズケズケと無神経にのたまっていたという過去の記憶があるワタクシなのですよね~(汗)。
そう言えば思い当たるフシが…って。
う~ん、2020年も押し迫った大晦日イブに、よりによって何という黒歴史を自ら引っ張り出して来ておるのやら…(爆)。
こんなんで、果たして気持ちよく年越しできるのかしらん??(←知らんがな)

さて。
今年のENEOSでは、川口凌のレギュラー定着が個人的に一番嬉しかったですねー。
思い起こせば、2012年夏の神奈川県予選2回戦・横浜×上矢部戦を観戦に保土ヶ谷球場へ行っていた私。当時、鳴り物入りで入学したと話題だったゴールデンルーキー・淺間大基&高濱祐仁がいきなりスタメン起用で活躍、特に高濱は公式戦初本塁打を放ったりとたいへん目立っていた試合なのですが、実は同じ試合でもう一人スタメン起用されていた3人目の1年生、それが川口でした。
新入生の積極起用をためらわない横浜高校とは言え、当時の川口への期待の度合いが相当だったことが伺えます。(…なお、淺間と高濱についてはあえて触れないでおこうかな・汗)
その後進んだ法政大では思うような活躍ができなかった印象だったので心配していましたが、ENEOSでの復活劇はやはり地元横浜に戻ったからかな。今後の川口に期待!…と声を大にして締めたかったところですが、瀬戸西純の加入は相当ピンチですよねぇ。困った困った。

おっと。ずいぶん脱線してしまいました。

確かに気づけば筑波大OB選手、かなり増えていますね。今回は日体大・小口も引っ張っているところを見るとENEOSは今後、東京六大に加えて首都大からも積極的に選手を獲得する方針なんでしょうか…いやいや、よく考えたら以前にも塩見泰隆を帝京大から獲ってましたっけ。
今年のENEOS新入部員の中では、もちろん加藤三範も良いのですが個人的には瀧澤虎太朗が最も期待大ですねー。気の早過ぎる話ですが、2年後のドラフトでファイターズが指名してくれないかなー、なんて考えているくらいです(苦笑)。

…ってか、こういう不用意な書き方をするとまたまた数年後、見当違いなコメントとして今回同様に恥を晒してしまうような悪寒が(爆)

Re: そういえばフリッカーさんもそんなこと仰っていましたね(笑

フリッカーさん

いつもどうもです!

高梨と糸原はあそこまで大成するとは思っていなくて、本当にENEOSやプロのスカウトの慧眼ということですよね。
全然別の話ですけど、フリッカーさんが言及していた横浜高校の淺間&高濱弟の二人の方がスケール感あって、私は彼らこそがプロで大物になるだろうって彼らが高校2年生の頃まで思っていたんですけど…(苦笑

そしてその横浜出身の川口は確実に成長し続けてここまで来たという感じですよね。小豆ほどの名手を二塁へ追いやってショート定着というのがまた彼の凄みを増していますよね。
ホント、何でここで瀬戸西を重ねてくるという贅沢するかなこのチームは(笑

ENEOSは仰る通り塩見も取っていますし、筑波大以外の首都大所属校も結構気にしているようですよね。それが目立たないのは首都大リーグで社会人選手の最大供出校である東海大の選手をこのチームがあまり取っていないせいかもしれませんね。
あと、神奈川大リーグ(横浜商大とか関東学院大とか)からも取ってはいますし、一応地元神奈川県の大学選手を意識はしているようですね。
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Author:フムフム
2017年10月末スポナビブログから引っ越し
なのでそれ以前の記事はスポナビブログ仕様のまま

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